高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第107回
拡大する睡眠支援市場とマーケティング依存の構造
枕、マットレス、サプリメント、リカバリーウェアなど、いわゆる「睡眠支援商品」がコロナ禍以降、市場で目立つようになりました。
これらの商品の共通点は「効果期待型商品」である点です。睡眠の質を改善する「効果が実際にあるか」より、「効果がありそうと思われる」と売れるのです。つまり、マーケティングの巧拙で売行きが決まります。
高価格帯でも相性の壁と評価サイトの限界
このため、それなりの出費にも関わらず期待外れなこともよくあります。特に多いのが枕です。
高機能をうたっている枕は4万円程度のものが多いのですが、この価格帯の商品ですら、購入後しばらく使うと首の痛みが悪化する場合がよくあります。
ネット上には枕を対象にした商品評価サイトがいくつかあります。ところが、枕という商品は、利用者一人ひとりで相性が異なるため、こうしたサイトでの評価は、まずあてになりません。
購入時の心理的ハードルと市場の「不満」
自分に合う商品を見つけ出すためには、結局、色々と購入して実際にしばらく使ってみる以外にありません。
しかし、単価4万円といった高価格の枕をいくつも購入して試せる人は少数派でしょう。現状の睡眠支援商品に対して、こうした「不満」を感じる人は多いのです。
不満を解消するブレインスリープの「トライアルサービス」
そんな状況下で、睡眠商品・サービス提供者のブレインスリープが7月29日から「トライアルサービス」を始めました。
このサービスは、税込33,000円の自社製品の枕「ブレインスリープ ピロー」を税込8,800円で30日間、自宅で試用できるものです。
30日後、気に入ったら残金27,500円を支払えば、購入完了となります。高さが合わなければサイズ交換、商品が不満なら返却も可能。交換・返却の送料は不要とのことです。
試用モデルの可能性と他商材への横展開
このようなレンタルモデルは、高機能枕ではこれまであまり例がありませんでした。しかし、一か月程度の試用可能な仕組みは、「比較的高価」で「使ってみないとわからない」商品の「不満」を解消して購入を後押しする可能性があります。
同様のアプローチは、枕以外の類似商材にも応用が利きそうです。




