2023年10月27日 日経MJ連載 納得!シニア消費
「深睡眠」と「レム睡眠」の割合を増加させる日本初の機能性表示食品
数多ある睡眠をサポートするサプリメントのなかで、高齢者らを中心に注目されているのが小野薬品ヘルスケア(大阪市)の「レムウェル」だ。
サプリの摂取が「深睡眠」と「レム睡眠」の割合を増加させ、睡眠の質を向上させる機能で日本初の機能性表示食品として認可されたためだ。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つがある。睡眠の質を左右する要素の1つに、これらのサイクルや量などのバランスが挙げられる。一般的にノンレム睡眠は睡眠の深さで3段階程度に分けられ、最も深いものを深睡眠と言う。
加齢に伴い、夜間に分泌される睡眠ホルモンのメラトニンが減り、レム睡眠と深睡眠の割合が小さくなることがわかっている。
これまでの購入者の70%が50歳以上、男女比はほぼ半々だ。定期コース購入者は75%が50歳以上で、定期購入経験者の88%が継続したいと回答している。なぜ、これほど中高年に受けているのか。
理由その1:一定期間のサプリの摂取でぐっすり眠れると実感できる点
東京都の前田博さん(仮名、63歳)は「よく寝たと感じられるようになり、睡眠の質も良くなった」。神奈川県の木村優子さん(仮名、59歳)は「睡眠の質が向上した。日中に活力も出て、ポジティブな気分を保てるようになった」と話す。
実感できる理由は、レム睡眠と深睡眠の割合が増えるためだ。この点は、サプリにも関わらず医薬品並みのエビデンス(科学的根拠)レベルの高い手法で実証されている。
両者の割合が増えるのは、サプリに含まれる「睡眠DHA(ドコサヘキサエン酸)」がメラトニンの分泌を誘導することでレム睡眠が増加。この増加が深睡眠を誘導するとされている。
理由その2:夜間の睡眠の質を改善し、日中の眠気が軽減される点
大阪府の田中誠二さん(仮名、72歳)は「サプリの摂取前は日中に強い眠気があり、いつも仮眠していた。サプリ摂取後は日中の眠気が減った」と言う。
ベンゾジアゼピン系など従来の睡眠薬は、浅いノンレム睡眠を増やす一方、深睡眠とレム睡眠を減らすとされる。このため日中の眠気を誘導する副作用がある。
レムウェルは、浅いノンレム睡眠には影響せず、深睡眠とレム睡眠を増やすことが実証されており、夜間の睡眠の質を改善し、日中の眠気を軽減する効果があるとされている。
理由その3:原料が天然食材由来で、毎日摂取するのに抵抗感がない点
睡眠薬などの薬剤は前述の副作用に加え、常用への抵抗感が強い人も多い。
レムウェルの主成分であるDHAは天然のイクラオイル由来、DAGE(ジアシルグリセリルエーテル)は深海鮫(さめ)の肝油由来だ。DAGEについては睡眠不足状態の脳内の酸化ストレスを軽減すると考えられている。
親会社の小野薬品工業は脂質研究で50年の歴史がある製薬会社。この点も利用者の選択理由となっているとのことだ。
乱立気味の睡眠サプリ 今後はエビデンスレベルの高い検証が求められる
新型コロナウイルス禍で睡眠障害の人が増えたのに伴い、睡眠サプリも乱立気味で消費者にはわかりづらくなっている。機能性表示食品として認可されていても、その科学的根拠レベルには大きな差があるのが現状だ。
消費者保護の観点から、今後は製品機能の科学的根拠がより高いレベルで求められていくだろう。