シニア市場創出のカギ「飽和市場」を見つけるにはどうすればよいか?

飽和市場に見えるコンビニ市場 ビジネス切り口別
コンビニ店舗数の推移

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第75回  

新しいシニア市場創出の糸口は“飽和市場”のすぐそばにある

私は企業の新事業担当者に「シニアを対象とした新市場創出の糸口は“飽和市場”のすぐそばにある」としばしばアドバイスします。すると、「そういう“飽和市場”を見つけるには、どうしたらよいか」と質問を受けます。

“飽和市場”とは、当該分野の商品・サービスの市場成長が「頭打ち」の市場を言います。例えばコンビニエンスストア市場がよく挙げられます(図)。コンビニの店舗数は2017年度頃から55,000店舗程度で頭打ちとなっています。

また、平均日販は2011年以降、横ばいです。ちなみに、図のデータは日本フランチャイズチェーン協会が発表しているものです。

飽和市場の見つけ方1:業界団体が発表しているデータを見つける

飽和市場の見つけ方の一つ目は、このように業界団体が発表しているデータを見つけることです。対象とする業界の団体があれば、そこが年次報告書などを発行しているのでそれを確認しましょう。

飽和市場の見つけ方2:政府統計を活用する

二つ目は、政府統計を活用することです。経済産業省、総務省などの省庁は定期的に産業統計を公開しているので、該当するものがあれば活用できます。

飽和市場の見つけ方3:市場調査会社の調査報告書から見つける

三つ目は、市場調査会社の調査報告書から見つけることです。市場調査会社は、業界別に市場データをまとめた報告書を有料で売っているので、それを入手しましょう。

また、上記のデータが公開されている場合は、テレビや新聞、週刊誌などが引用することも多いので、そこから元データをたどっていくとよいでしょう。

市場が飽和している原因を明らかにして対策を講じることが重要

以上の通り、飽和市場を見つけること自体はそれほど難しくありません。重要なのは、そうした市場を見つけた時に、なぜ、その市場は飽和しているのか、その原因を明らかにして、具体的な対策を講じることです。

先のコンビニ市場の場合、出店が少ない商圏(大学・高校などの学校、役所、病院など)での出店余地がないか、移動店舗での余地はないか、などが考えられるでしょう。

規模の大きい老人ホームなどには居住者に加えてスタッフも多いので、立地によってはコンビニがあると便利な場合もありそうです。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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