使わない口座・サブスクは解約!デジタル資産の賢い整理と共有術

使わない口座・サブスクは解約!デジタル資産の賢い整理と共有術 ビジネス切り口別
使わない口座・サブスクは解約!デジタル資産の賢い整理と共有術

シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第232回 

前回はデジタル資産の放置リスク対策として、デジタル資産リスト作成の勘所を説明した。今回はその他の対策を解説する。

やめてもよい銀行口座、カード、サブスクの解約

デジタル資産リストの作成が完了したら、次は現時点でやめてもよい銀行口座、クレジットカード、サブスクを解約することだ

(1)利用頻度の少ない銀行口座、クレジットカードを解約する

複数の銀行口座やクレジットカードを持っている場合、利用頻度の少ないものは解約する。

銀行口座は2年以上取引がないと年1,100円程度の「未利用口座管理手数料」を引かれる場合がある。そのような口座は不正利用のリスクもある。

また、長期間(一般的に10年以上)使わないと「休眠預金」となり、預金保険機構へ移管され、預金残高が民間公益活動に使われる可能性がある。

年会費ありのクレジットカードは、なるべく年会費なしのものに切替える。最近は年会費なしでもゴールドカードが発行される場合も多いので、それらを利用したい。

(2)利用頻度の少ないサブスクサービスを解約する

サブスクは本当に必要なもの以外、なるべく解約する。理由は、あなた以外の家族や第三者にサブスクを解約してもらうのに手間がかかるためだ。

特に海外企業のサブスクには解約手順がわかりにくいものがあるので、それらの解約手順はリストに記載しておくとよい。

(3)アプリのサブスクは買い切りに切り替える

例えば、パソコンでMS-Officeを使うためにMS-365をサブスクしている場合は、MS-Officeの買切りアプリを購入し、MS-365を解約する。

また、グーグル・ドキュメント等を利用すれば無料だ。画像編集アプリもサブスクにせず、買切りアプリまたは無料アプリがよい。

もしもの場合の必要アクションを記載する

次にあなたが亡くなった場合に信頼する人(通常は家族)に行ってもらいたいアクションを表の例の要領でリストに記載しておく。

注意したいのは、あなたが亡くなった時点で、あなた名義の預金、有価証券、不動産などの資産は、相続人の共有財産となる点だ。

遺言書(自筆証書遺言の場合は検認終了後)の執行後または遺産分割成立後に、当該銀行・証券会社にあなたが亡くなったことを相続人から届け出てもらう必要がある。

この観点から、事前のなるべく早い段階にあなたが遺言書を作成しておくのが望ましい。一方、相続人は遺言書の有無の確認と執行を、遺言書がない場合は遺産分割協議を速やかに行うことが重要だ。

届け出の時点で口座は正式に凍結され、口座からの自動引落は停止される。その後、必要な事務作業を行うことで凍結解除され、銀行口座は名義変更などが可能となる。

アップデートしたデジタル資産リストを共有する

作成したデジタル資産リストをなるべく早い時期に次のいずれかの方法で信頼する人と共有する。

(1)リストの電子ファイルを渡す

(2)リストを印刷して手渡す

(3)リストを印刷してエンディングノートに貼っておく

(3)の場合は、エンディングノートの保管場所を知らせておく必要がある。

「ログイン情報」の受け渡し方法を決める

あなたと相続人予定者との関係によって色々な選択肢がある。以下は一般的な例だ。

(1)ID、パスワード、パスキーなどのログイン情報を記載した電子ファイルにロックをかけ、「解除キー」と分けて、信頼する人にUSBメモリーで渡す。

(2)(1)で「解除キー」のみ紙に記載し、あなたと信頼する人しか知らない場所に保管する。

ログイン時にパスキーを使う場合は、PINを使うのがよい。PIN以外の生体認証だと、あなた以外に誰もログインできなくなるからだ。

なお、本稿では、スマホをデジタル資産のログインやマスターキーに使わない方針としている。

理由は、第三者がスマホにログイン可能とするには、予め個人情報を削除しておく必要があり、現実的でないためだ。

もう一つの理由は、あなたが自然災害や交通事故などに遭遇し、スマホが紛失・破損する可能性があるためだ。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

村田 裕之をフォローする
シニアビジネス事例ビジネス切り口別

本記事の内容を貴社事業に役立てるサポートはこちら

  • シニアビジネスコンサルティング
  • プライベートセミナー
シェアする
村田アソシエイツ | アクティブシニア市場を開拓したシニアビジネスの先駆者
タイトルとURLをコピーしました