ポケモンGOに見る「対コロナ適応力」その2

コロナ対応で遠隔地から参加可能 ビジネス切り口別

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第41回

レイドバトルへの「フレンド」招待機能の導入

ポケモンGOでは、様々な道具をギフトとして交換できる「フレンド」を持つことができます。ギフト交換の頻度に応じて「親友」「大親友」とフレンドの格が上がります。

すると一緒にレイドバトルで勝利した後、格に応じて得られるボール数が増えます。従来レイドバトルではこの利点だけでした。

ところが、コロナ禍後に自分が参加するレイドバトルに、その場にいないフレンドを招待できるようになりました。例えば池袋で開催されるレイドバトルに、宮城県の南三陸町に住むフレンドを招待できます。そのフレンドは南三陸町に居ながら池袋でのバトルに参加して一緒に戦えるのです。

地方のプレイヤーも不利でなくなった

ポケモンGOはサービス開始時から人が集まりやすい都市部に有利と言われてきました。例えば地方ではレイドバトルが開催されても人が集まらず、地方のプレイヤーから文句が出ていました。

しかし、このルール変更により都市部のフレンドが招待すれば、どの地方に住んでいてもレイドバトルに参加できるようになりました。実は招待されるフレンドの場所は地方に限らず、米国でも欧州でも通信ネットワークがつながる場所ならどこでも可能です。

一方、地方のプレイヤーが、その地で開催のレイドバトルに都市部に住むフレンドを招待することもできます。地方ではなかなか集まらない人を、ネットワークを通じて仮想的に集められるのです。

ルール変更で新たな売り上げ機会が創出

重要なのは、こうしたルール変更により、これまでレイドパスを使う機会があまりなかった地方のプレイヤーが頻繁にレイドパスを購入するようになったことです。

また、招待する側の都市部のフレンドも一緒にプレイするためにレイドパスを購入する必要があり、購入頻度が増えていることも見逃せません。

ポケモンGOを見て改めて思うのは、ゲームのルールを柔軟に変えて市場環境の変化に対応できれば、コロナ禍以前にはなかった新たな売上機会が得られることです。

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