デスクワークに長く従事した経験をもつ人には、単なるレジャーではない、身体を使い楽しみながら学べる機会を求める人が多い。このような人は、自分と問題意識の近い相手との意見交換を通じて意気投合できる機会を好む。したがって、「知的合宿体験」をレジャーサービスに組み込むことで、活気にあふれた双方向の立体的な学習サービスとなり、事業の差別化となる。
たとえば、年長者向けの体験学習プログラム「エルダーホステル」では、机上の講義だけでなく、体験を通じて生きた学びができる屋外での実習、参加者の知的興味を刺激する本格的なテーマ設定、雰囲気づくりが上手な世話役と知的好奇心が似通った人たちとの交流機会を商品に組み入れることで、高いリピーター率を確保している。
いきいきの「ワンマンス・ステイ」は、海外生活を体験したい人たち同士が一カ月間、英会話の勉強やその土地での生活を楽しみながら、知的好奇心が似通った人たちと関係を深められる点が、単なる観光旅行に飽きた年長者に受けていたのである。
知的合宿体験を組み込んだ商品を考えるとき、参加者の問題意識のレベルをなるべく同じにするほうが場の求心力が高まる。そのためには、勧誘の際に、プログラムのテーマ、活動項目をなるべく詳細に伝えることで、集まる参加者間のレベルの差を最小にすることが肝心だ。