高齢になって一人暮らしとなっても、日々の生活支援や時間を楽しむための手段を求める人は存在する。したがって、「プライベート・コンシェルジュ」と呼ぶべき一人ひとりの生活をきめ細かく支援するハイタッチなサービスが、新たな事業機会を生み出す。
たとえば、コンシェルジュ・サービス専業の「レ・コンシェルジュ」では、高度に訓練されたスタッフが、大勢の顧客に質を落とさずサービス提供できるように、スマートエージェントと呼ばれる独自のITシステムでバックアップしている。
また、「ミスターハンディマン」でも、独自の支援ソフトと特殊仕様の携帯電話を活用し、顧客宅で作業する技能者が動きやすいようにサポートすることで、顧客からの要求に迅速に応えている。
これらの事業における情報システムなどのハイテク利用の目的は、人間がしなくてよい単純作業を置き換えるのみならず、人間の感性を必要とし、システムでは代替不能な高度なサービスを、人間が効率よく提供するためである。ハイテクは、コスト削減のみならず、人間の感性を高め、その人の能力が最大限発揮されるために活用するものだ。