65歳以上の会員比率が2倍に急増した婚活サービス「3つの理由」

婚活アプリや婚活パーティーにないコンシェルジュの役割 商品・サービス別
婚活では成婚コンシェルジュの役割が重要

2023年12月22日 日経MJ連載 納得!シニア消費

年齢上限を撤廃後、65歳以上の会員比率が2倍以上に急増

近年中高年を対象とした婚活サービスが増えている。数多あるサービスのなかで今回取り上げるのはタメニー(東京都品川区)の「パートナーエージェント」だ。

今年1月に入会資格の年齢上限を男女とも撤廃したところ、50歳以上の会員比率がそれまでに比べ2割以上増えた。65歳以上の比率では2倍以上に急増している。

この年齢層でも婚活サービスやマッチングアプリの利用への抵抗感が下がってきたことが背景と考えられるが、実はもう少し細かな利用者のニーズが理由だ。

理由1:婚活アプリや婚活パーティーにはない成婚コンシェルジュによる相談機能がある

50歳以上の人がパートナーエージェントを選ぶ理由の1つ目は、婚活アプリや婚活パーティーにはない成婚コンシェルジュによる相談機能がある点だ。

静岡県の木村博美さん(仮名、54歳)は、「アプリや婚活パーティーでは、交際はできても結婚につながらない。色々と相談でき、活動が前に進むのがよい」と言う。

婚活アプリは、一般に男性有料・女性無料の場合が多く、女性には100件を超えるアプローチが来ることもあるが、選択肢が多すぎてマッチングが成立しにくいと言われる。

婚活パーティーも男女複数による出会いの形態のため、会話が表面的になりがちで真剣な交際につながりにくい面がある。

東京都の佐藤圭子さん(仮名、67歳)は「年齢的に不安が大きかったが、コンシェルジュのサポートで不安が消え、活動できたのが良かった」と言う。

理由2:地域の結婚相談所より出会いの幅が広がる

理由の2つ目は、地域の結婚相談所より出会いの幅が広がる点。福岡県の山口節子さん(仮名、63歳)は、「地元の結婚相談所で活動していたが、良いと思える人がいないため、大手のサービスで活動しようと思った」と言う。

先の例とは逆に、居住地域近くの結婚相談所では選択肢が少ないため、もっと多くの選択肢を求めて会員になる人もいる。

理由3:入会資格の年齢上限がなく、幅広い年齢層との出会いが可能

理由の3つ目は、入会資格の年齢上限がなく、幅広い年齢層との出会いが可能な点。埼玉県の小口正雄さん(仮名、54歳)は、10歳年下の恵さん(仮名、44歳)と3ヵ月ちょっとの交際で成婚した。

中高年男性には自分より若い女性を望む人が少なからずいる。こういう場合にもコンシェルジュによる男女会員それぞれへの後押しで成婚に至ることが多いようだ。

一方でコンシェルジュも万能ではない。会員への候補者の紹介ペースが合わない、相談対応が不十分、などの理由でクレームが出ることもある。担当者の力量不足の場合もあろうが、会員の条件が多すぎて上手くいかないこともあるという。

利用する側は、過度な期待を持たず、相談機能も含めた婚活サービス全体を「ツール」として、上手く使いこなすスタンスの方が良いと言えよう。

高齢でも互いに納得のいくパートナーを見つけられる仕組みは、社会インフラとして整備・充実が必要

超高齢社会の進展で高齢の独身者が増えている一人暮らしは孤独になりやすい、低栄養で衰弱しやすい、認知症にもなりやすいなど社会的リスクが高い

こうしたリスクを低くするためにも、たとえ高齢でも互いに納得のいく生活パートナーを見つけられる仕組みは、社会インフラとしてさらに整備・充実させることが望まれる。

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