エイジング・スタイリスト - 商品の重点は「機能」から「スタイル」へ移る

自分の「祖父母」「両親」を
喜ばせるつもりで品揃えを決めよ

シニア層の中には、加齢に伴い身体機能の衰えを感じているが、体の弱い社会的な弱者として思われたくない人も結構多い。したがって、単なる「機能」を提供する商品から、身体機能の衰えによる不便さを上品に解決する「スタイル」を有する商品が、新たな事業機会を生み出す。

たとえば、NTTドコモの「らくらくフォンベーシック」以降の商品は、単に高齢者の身体機能低下(小さな字が読みづらい、音が聞き取りにくい、小さなボタンが押しづらい、握力が落ちて落としやすいなど)を補助する機能だけでなく、見た目もスタイリッシュで、いわゆる老人臭くない商品デザインとなっている。

近年、小売業などにおいて、マーチャンダイジングをコンピュータによる情報システムで行うやり方も出てきている。だが、年長者配慮型のマーチャンダイジングには、多くの構成要素を全体包括的に熟慮する必要があり、むしろコンピュータでは不可能な「職人的な知恵」が必要だ。

言い換えると、商品提供者は、加齢に伴う不便さを上品なスタイルで解決する知恵をもつ「エイジング・スタイリスト」にならなければならない。そして、この「エイジング・スタイリスト」には「年長者配慮型のマーチャンダイジング」を実践できる力量が求められる。

このような年配の人特有の体力や心理をきめ細かく配慮する商品・サービスの根底には、年長者に対する商品企画担当者の深い愛情がある。逆に言えば、このような愛情なしに、シニアを単なる金持ち、暇持ちの元気老人購買者とだけ見ているような事業は長続きしないだろう。

年長者配慮のマーチャンダイジングの知恵とは、担当者の感性の瑞々しさである。それは年長者への愛情であり、感謝の気持ちから生まれてくるものだ。下手な小細工をするより、自分の「祖父母」「両親」を喜ばせるつもりで徹底的に品揃えを決める方がよい。

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