「大人向け」商品の開発で気をつけるべきこと

ビジネス切り口別
大人のビスコ

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第69回  

単に商品名を「大人の××」としただけで売れる保証はない

子供・若者向けの商品がシニア向けに売れないかを考えることで、潜在市場を顕在化できる可能性があります。

例えば、ロッテは、ヒット商品の「雪見だいふく」から、生チョコ入りの「大人の雪見だいふく 生チョコレート」、抹茶生チョコレートが入った「大人の雪見だいふく 濃い抹茶」などを発売してヒット商品にしています。

しかし、単に商品名に「大人の××」と銘打っただけでは売れる保証はありません。これまでの各社の取り組みを眺めていると、こうした例がかなり多く、取組姿勢に大雑把な印象を受けるものがほとんどです。

機能性の訴求とコスパがカギ

ミルク生活プラス

子供向け食品を「大人向け」に変える場合、潜在利用者が求めている機能性を明確に訴求してコスパ感を出すとヒットしやすくなります。

例えば、森永乳業が「大人のための粉ミルク」とうたっている「ミルク生活」は、一般の牛乳には含まれていないラクトフェリン、ビフィズス菌、シールド乳酸菌、11 種類のビタミン、食物繊維などの栄養分を含んでいます。

高齢になるにつれ様々な理由で食が細る人が増えます。加齢に伴い筋肉量が減少する「サルコペニア」は要介護になる原因の一つですが、その主因がたんぱく質の摂取不足であることがわかっています。

さらに女性は閉経後に骨粗しょう症になりやすく、男性に比べて転倒時に骨折しやすくなります。

誰をターゲットにするかで求められる機能性が変わる

こうした背景から「ミルク生活プラス」では、「ミルク生活」の成分のうち、たんぱく質と骨の形成に必要なカルシウムの量を増やしています。これがシニア女性の健康不安解消ニーズにマッチして好評を博しています。

ミルク生活プラスとミルク生活の売上構成比が65対35なのは、この点を反映していると言えます。

ミルクなのに牛乳臭くなく、牛乳が苦手な人でも飲みやすいこと、粉末のため軽量で、常温で長期間保存できることも受けています。

加齢に伴い不足するが普段の食事では摂りにくい栄養成分を少量でも必要分摂れる利便性がコスパを感じさせ、納得性を高めているのです。

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