コト消費(時間消費)ビジネスの勘所とは

連結連鎖消費が起きやすい温浴施設 ビジネス切り口別
連結連鎖消費が起きやすい温浴施設

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第49回

時間消費がモノ消費に結びつきやすいのは「回遊型」

時間消費がモノ消費に結びつきやすいのは、施設内の複数か所を回遊して何かを行なう「回遊型」施設です。これには「クローズ型」と「オープン型」がありますが、モノ消費が起きやすいのは前者です。

クローズ型はいったん店の中に入ると、外に出づらくなっており、スーパー銭湯、東京ディズニーランド、国立新美術館など大きな美術館は、皆このタイプです。

例えば、スーパー銭湯では利用者はまず風呂に入ります。汗をかいて喉が渇くので、ビールなどアルコール飲料を飲みます。するとつまみを食べたくなり、食べるとますます飲みたくなります。

お腹が膨れると休憩室で休憩したり、マッサージをしてもらったり、施設内の理髪店に行ったりします。それが終わるとまた入浴する場合もあります。シニア層で時間に余裕のある人は、このサイクルを1日に2回繰り返す人もいます。

スーパー銭湯の収入源は、まず入館料。加えて石鹸やタオルなどの付帯品、入浴後の飲食、マッサージ、岩盤浴や加圧マッサージ、理髪店など。1回当たりの客単価は4000~5000円になります。

時間消費ビジネスの勘所は、連結連鎖型と新陳代謝が起きるプロセス

私は、こうしたビジネスモデルを「連結連鎖型」と呼んでいます。1つの消費が次の消費を促し、連鎖的に消費が発生するため、時間消費がモノ消費に直結します。

重要な点は、こうした連結連鎖が起きやすい理由に、時間消費のプロセスのなかに身体の新陳代謝が起きやすいプロセスが存在することです。

汗をかいて、エネルギーを消費すると、水や食料を補給したくなる。自然とお金が落ちるモデルです。このように時間消費ビジネスの勘所は連結連鎖型と新陳代謝が起きるプロセスにあります。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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