ユビフランス パリ事務所主催シルバーエコノミー・セミナー
フランスでも始まったシニア市場開拓の動き
4月25日、フランス大使館企業振興部(ユビフランス)パリ事務所主催で開催される日本・韓国・台湾のシルバーエコノミー市場セミナーで講演することになりました。
フランスでは、2013 年より、高齢化社会にかかわるすべてのサービスや産業を « La Silver Economy »(シルバーエコノミー)と名づけ、今後の経済発展のなかでの重要なセクターと位置づけました。
これをうけて、産官学でこの分野に力を入れ、特にフランスの貿易発展を担うユビフランスも、このテーマのフランス企業の貿易推進に注力しています。また、パリ郊外に「シルバー・バレー」というシニア市場のビジネス生態系を目指す拠点も立ち上がっています。
私は拙著「シニアシフトの衝撃」で「これから世界中に広がるシニアシフト」と述べ、近未来に高齢化が進む国々で企業活動のシニアシフトが進むと予告してきました。それがフランスでも現実化してきたということです。
私はこれまで欧州各国(ドイツ、英国、イタリア、スイス、フィンランド、スウェーデンなど)の政府・企業から多くの相談や講演等の依頼を受けています。
しかし、これまでフランスからはこうした動きはありませんでした。その大きな理由は、フランス大使館の方自身も話していますが、従来フランスはシニア市場への取り組みに遅れていたからです。
« La Silver Economy »(シルバーエコノミー)の参考事例の筆頭は日本
福祉の分野では欧州は進んでいるイメージが強く、日本の福祉関係者はいまだに欧州詣でをする傾向があります。しかし、特にアクティブシニア向けのビジネスに関しては、欧州よりも日本の方が進んでいるというのが今の状況です。
シルバー・バレーという名称は、アメリカのシリコン・バレーのシルバーエコノミー版とのことです。日本でも一時期「○○バレー」というのが流行った時期がありましたが、もう廃れた言葉です。なので、シルバー・バレーという名称は正直陳腐な感じがします。
とはいえ、周回遅れのランナーは遅れたゆえのアドバンテージもあります。先行する他国や他の企業の事例をじっくり眺めて、さらに優れた商品・サービスを打ち出せる可能性もあります。
そういう意味では、日本がちょっと進んでいるとはいえ、状況は今後変わる可能性は十分あります。むしろ、よいパートナーとは相互にメリットのある関係を積極的に構築していくべきでしょう。
なお、今回の私の講演は、パリではなく、港区広尾のフランス大使館からテレビ会議システムで行います。