歌声サロン・ライブビューイングで地方のシニアも元気に

シニアビジネス事例
歌声サロン カラオケ店に生配信

2022年7月22日 日経MJ連載 納得!シニア消費

歌声サロンの第一人者、杉山公章氏と昭和歌謡コンサートをライブ配信

まねきねこ歌声サロン

懐かしの昭和歌謡はシニア向けキラーコンテンツの定番だ。「昭和歌謡コンサート」「歌声サロン」などの名称で各自治体の公民館などで頻繁に開催され、多くの高齢者が参加していた。だが、コロナ禍でこうした場所での開催が難しくなり、意気消沈していた高齢者も多いようだ。

こうしたなか、カラオケ大手「まねきねこ」を運営するコシダカ「歌声サロン・ライブビューイング」というサービスを始めたところ、シニアに好評だ。

歌声サロン主催者として年間5万人の動員実績をもつ音楽家の杉山公章氏とコラボし、昭和歌謡コンサートをライブ配信する。

一般のライブビューイングでは会場からのライブ映像を全国各地の大型スクリーンのある上映会場に配信するが、このサービスではカラオケ店「まねきねこ」のパーティールームに配信する。

シニアに好評な理由の第一は、各地にある最寄りの店舗で参加できる点だ。従来は首都圏の公民館などが主な会場で、会場から遠い人には敷居が高かった。この方式だと地方在住の人も最寄りの店舗に行けば楽しむことができる。

リクエスト曲を全国の参加者と一緒に歌える

第二は各店舗で歌いたい曲のリクエストをすると杉山氏が取り上げてくれる点。プロの音楽アドバイザーに自分の好きな曲が取り上げられて、全国の参加者と一緒に歌える「双方向・参加型」がうれしく、楽しい。

かつて昭和の時代にリスナーの電話リクエストに応じてレコードをかけてくれるラジオ番組がいくつかあった。自分のリクエスト曲がかかるかどうかワクワクしながら待ち、運よくかかると宝くじが当たったかのようにうれしかった。コシダカのサービスはその現代版と言えよう。

第三は各店舗のスクリーンに表示される歌詞の字が大きい点。視力の衰えたシニアでも読みやすく、歌いやすい。

友人二人と、埼玉県のまねきねこ入間店に来ていた斎藤康子さん(78歳、仮名)は「コロナ禍で家にいる時間が長くて欝々していたけど、ここに来て懐かしの曲を大きな声で一緒に歌えて気持ちがスッキリした」とのことだ。

歌声サロンはシニアの健康つくりのための朝活

まねきねこには「朝うた」という午前中の割引サービスがあり、利用客にシニア層が多い。この利用客に声がけすると歌声サロンの参加につながりやすい。

この点を考慮して「歌声サロン・ライブビューイング」は午前11時から開始している。時間は通常のコンサートと同様に一回2時間だ。昼食時間をはさむので食事需要も生まれる。

カラオケ利用者は若者が中心と思われがちだが、近年はシニアも増えている。コシダカの場合、全国約570店舗で毎月約280万人が利用しているが、そのうち4%前後がシニア層という。

感染対策が施された場で昭和歌謡を歌うのは精神面での健康に有用

シニアは一般に新型コロナ感染リスクが高いと言われ、感染者が増えるとカラオケへの来店を控える傾向が強い。

ウィズコロナの時代には感染を予防しつつ、いかに健康を維持するかが重要だ。家に閉じこもりきりにならず、感染対策がきちんと施された場で、周りに気兼ねなく、懐かしの昭和歌謡を一緒に歌うのは、特に精神面での健康に有用だろう。

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