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さる1月26日に関西大学千里山キャンパスで
「カレッジリンク型シニア住宅キャンパス体験セミナー」を開催した。
セミナーにはカレッジリンク型シニア住宅への入居に興味のある
60代後半から70代前半の男女が参加した。
セミナーの様子は多くのテレビ、新聞、雑誌で報道されたので
ご存知の方も多いと思う。
参加者からは
「学生気分になり自分の年齢を忘れることができた」
「大学での学習機会に触れ、刺激され、一層期待が膨らみます」
「教授や大学院生の方々と共に食事をし、話ができて楽しかったです」
など、それなりの評価を頂くことができた。
実はこうした体験は、参加者のみならず、
サービス提供者側にとっても単なる机上の空論ではなく、
リアリティのある事業の具体像を描くための
多くの“気づき”の場となる。
“気づき”の一例は、学生食堂での昼食だ。
若い学生と一緒に昼食をとる機会がほとんどない年配の参加者にとって、
この昼食は冒頭のコメントのように新鮮で楽しい体験のようだった。
しかし、年配者の多くはほとんどご飯を食べない。
また、脂っこいおかずにはほとんど手をつけない。
この傾向は特に女性に強い。
私の斜め前に座っていた70代の女性はご飯とおかずのほとんどを
隣の学生のおわんに移していた。
“プレゼント”をもらった学生はニコニコしてそれを食べていた。
また、ある年配女性から「どうしても“わかめそば”が欲しい」と頼まれ、
配膳の行列を並びなおして世話をするという手間も発生した。
「年をとると基礎代謝量が減るため、必要な食事の量が減る」
このことは頭では理解していたつもりだ。
だが、目の前にいる60代から70代の年配者の行動を見て、
思わず“はっと”した次第だ。
他の“気づき”の例は、移動がゆっくりなことだ。
われわれのような“現役”と異なり、歩行のスピードが遅い。
これは足腰が弱っているという理由もあろうが、
“現役”のように駅のエスカレータをさらに歩いて上るようなことが、
もはや必要ないからと思われる。
また、いろいろと雑談しながら歩きたいという気持ちもあるだろう。
おかげで、見学の予定場所への移動に時間がかかり、
スケジュールを頻繁に変更せざるを得なかった。
こうした体験で改めて感じたのは、
サービス商品化における「顧客参加型」の重要性である。
これは、拙著「団塊・シニアビジネス 7つの発想転換」や
講演・雑誌等でこれまで何度も語ってきたことだ。
つまり、「消費者」から「語り部」へ
あるいは「使い手」から「担い手」へ
という発想転換の重要性である。
サービスの担い手がどんなに優れた内容に仕立てたつもりでも、
サービスの使い手は必ずどこかに不満をもつ。
であるならば、商品開発の段階から、
単なる「使い手」ではなく「担い手」として
役割を演じてもらおうという考え方だ。
もちろん、シニア住宅の運営会社が事業リスクを取る以上、
何から何まで「使い手」が決めるような方法はできない。
なぜなら、事業リスクを負わない「使い手」は、
無責任に欲しいものを要求するからだ。
しかし、その商品・サービスに対価を払うコミットをするなら、
その「使い手」にはリスクが発生する。
こうしたリスクをもつ「使い手」の声は、
サービスの「担い手」にとって傾聴の価値があるといえる。
こんなことを含めて、
多くの“気づき”をもたらしてくれた
キャンパス体験セミナーだった。
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●参考情報
団塊・シニアビジネス 「7つの発想転換」
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