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カレッジリンク型シニア住宅というのは、
大学のキャンパス内あるいは比較的そばに
リタイアメント・コミュニティ(米国版の老人ホーム)を設置し、
コミュニティ運営者と大学とが連携して運営することで、
入居者である年長者と若い学生との双方にメリットを生み出すものです。
もともと米国で10年前に登場し、現在20箇所程度がすでに運営中で、
計画中のものを含めると60箇所程度存在します。
カレッジリンク型シニア住宅と私との最初の出会いは、
講演等でよくお話しするラッセルビレッジです。
これはボストン郊外の高級住宅地ニュートンにある
ラッセルカレッジという大学と一体的に運営されているものです。
最初に訪れて驚いたのは、明るくてお洒落な建物のデザインでした。
白を基調にニューイングランド地方独特の英国風のデザインは、
いわゆる“老人ホーム”のイメージと対極のものでした。
英国風といっても、貴族時代の息苦しい色使いやインテリアではなく、
居心地の良さを重点においた中庸なセンスを感じるものでした。
しかし、もっと驚いたのは、そこに住んでいる人たちに出会った時
――平均年齢83歳の多くの入居者の方々が皆本当に明るく、
元気はつらつで、いきいきしていたことです。
それまで私が訪ねた日本の老人ホームでの風景とのあまりの違いに
“良い意味”での衝撃を受けました。
さらに尋ねると、年間450時間クラスに参加することが入居条件とのこと。
米国のカレッジリンク型シニア住宅のすべてが
このような条件を設けているわけではありませんが、
意欲のある年長者を“選択”することで、
似たような興味をもつ人が集まりやすくなるメリットがあります。
しかし、最も印象深かったのは、多くのクラスで
年長の入居者と若い学生とが一緒に楽しんでいることでした。
それも先生の講義を一方通行に聞くというのではなく、
先生が盛り上げ役になりながら、
参加者全員が議論を楽しむというスタイルなのです。
こうした議論中心型のスタイルは、日本人にはなじみにくい面もあり、
日本での実現の際には、この点を考慮する必要があるでしょう。
とはいえ、若い学生が入居者の慰問に参加するのではなく、
学生と入居者とが互いに“一対一の人間”として正対し、
互いを尊重しあうスタイルは、見習うべきものといえましょう。
「これは、もはや老人ホームではない。
こんな素敵なものが日本でも実現できないだろうか」
という強い思いが私の体の中に湧き起こったと同時に、
次のいくつかの疑問が浮かびました
そこに住まう人は世間では一般に老人と分類される人たちである。
しかし、そうした人の住処として現状存在する“老人ホーム”は、
作り手や運営者がそのイメージを勝手につくり上げているものではないのか。
それは、人間の可能性というものを一方的に制約し、
「老人の住むところは、こういうところ」という
レッテルを貼りつけているのに過ぎないのではないか。
そして、そういう場所に入居した当事者自身も、知らないうちに
「老人ホームとはそういうものだ」と思わされていくのではないのか。
こうした疑問をもつに至った体験から4年経過し、
ようやく日本での実現への第一歩を踏み出すことになりました。
ご興味のある方は、9月11日13時より
関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市)で開催の
シンポジウムにぜひお越しください。
私自ら、時間の許す限り、お話させていただこうと思っております。
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カレッジリンク型シニア住宅シンポジウムのご案内
シニアビジネス(ダイヤモンド社)
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