『シルバー産業新聞』
      社会変化が生み出す新事業

 
「世代間交流学校」による痴ほうケアの試み
 
  2004年10月10号 第7回
村田裕之
 

一方、こうした「学び」による痴ほう症克服の試みとして、アメリカで注目を浴びているのが、「世代間交流学校(Intergenerational School)」である。オハイオ州クリーブランドにある小学校「オハイオ・コミュニティ・スクール」が、その代表だ。

5年前に世界初のチャーター・スクールとして設立された。チャーター・スクールは、公費で運営されるが、州や学区の法令・規則の適用が免除され、独自の教育が可能な公立学校である。

特徴は、軽度の痴ほう症をもつ年配者が、ボランティア・インストラクターとして参加し、小学生やその家族、教員と共に「共同学習」を行うことだ。

たとえば、年配者による本の読聞かせ、パソコンを使ったマルチメディア・プレゼンテーションの製作、思い出を共有するキルトつくりなど、さまざまな活動を、正規のクラス活動として行う。

この世代間交流学校は、参加者に多くのメリットを生み出している。まず、子供は、年長者のもつ多くの「人生の物語」を共有することで、生きた智恵を学ぶことができる。

一方、年配者は、子供に教えることを通じて、自身も何かを学ぶことができ、地域の将来に対して貢献することができる。

そして、痴ほう症の年配者でも、こうした自己成長と社会貢献が可能だと実感できることが、痴ほう症の軽減に大きく役立つことが重要である。

(本文より抜粋)

 

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