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市場調査の定番として従来活用されてきたのは、紙によるアンケート調査。だが、このやり方は、多大な時間と手間がかかり、それゆえ費用もかかるものだった。
ネットアンケートは、こうした時間や手間を短縮し、安い費用で市場調査をしたい企業のニーズに応えているように見える。だが、企業の現場では、ネットアンケートの調査結果が、実際に新商品の開発や既存商品の改善にどれだけ役に立っているのか疑問に思っている担当者が多い。調査会社に委託したアンケート結果に基づいた商品が、実際には売れないことが多いからである。
アンケートという手法は、設問を調査回答者の現状の事実関係の確認にする場合、有効である。たとえば、性別、住所、年齢、生年月日、資格の有無などを尋ねる場合である。
ところが、設問を願望や意向を尋ねる性質のものにすると、その回答の信憑性は著しく低下する。信憑性が低下する理由の一つは、回答者は自分が経験したことのない商品・サービスに対しては明確な価値基準をもたないためだ。だから、設問文章の巧拙やアンケート設問全体の文脈、記入欄の書きやすさなどに大きく影響を受けてしまう。
(中略)
ネットアンケートで入手できる顧客の情報は、きわめて表層的であり、そのレベルの情報をいくらデータベースで整理しても、情報の価値は上がらない。顧客の全体情報が失われているからだ。
顧客の気持ちをつかみたいなら、調査会社の市場調査に頼ることなく、顧客の全体情報を知ることだ。顧客の生の声、手書きの葉書などのアナログ情報を重視すること。こういう地道な活動の積み重ねで、顧客の全体像を直感できるようになる。
(本文より抜粋)
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