『シルバー産業新聞』
      社会変化が生み出す新事業

 
学びからレジャーまで シニア向けサマースクール
 
  2005年7月10号 第16回
村田裕之
 

二月号で取り上げたNPOのエルダーホステルとは異なり、民間の営利企業が大学と提携して、年長者向けに大学でのキャンパスライフの体験を旅行商品として提供しているのが、一九八七年にフロリダ州ディアフィールド・ビーチで設立された「シニア・サマースクール」だ。

シニア・サマースクールは、「エデュケーション・バケーション」というコンセプトで、健康で元気な五五歳以上の人が、北米の大学で、授業、レジャー、観光を体験できるプログラムを提供している。現在、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、サンディエゴ州立大学など七つの大学や民間の施設が参加している。

プログラムの期間は、二週間から八週間で、プログラムの講師は、大学の教授やその分野の専門家が担当する。人気の科目には、時事問題、政治経済、美術史、コンピュータ、文学、民族学、音楽などである。

(中略)

シニア・サマースクールの着眼点は、@空き施設や時間に余裕のある教授など「低稼働率資源の活用」、Aハードではなく学習プログラムという「ソフトによる付加価値化」、B観光とのセットによる年長者が参加しやすい「シニアフレンドリーな商品化」、の三つである。

これらは、前掲のエルダーホステルや二〇〇四年七月号で取り上げたカレッジリンク型老人ホームでも同様に見られるもので、成功しているビジネスモデルによく見られる特徴と言える。

一方、こうした事例を参考に、日本の市場環境を考慮すると、日本では、@風光明媚な観光地に近い地方大学や近年稼働率が低下している地方のホテルや温泉旅館などの活用、A参加者の趣味やその地域独自のコンテンツを活用したプログラムと共に、実用的な資格取得が可能なプログラムによる付加価値化、Bフィットネスプログラム、ハイキングなど健康増進に役立つメニューの併設、が有力と考えられる。


(本文より抜粋)

 

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