商品体験は心に残り、リピーターにつながる
 
  2006年1月号 第27回
村田裕之

別の例では、滋賀県大津市にある人気オーガニック・レストラン「ブルーベリーフィールズ紀伊國屋」も似た事例。これは、その名のとおり無農薬有機栽培で生産したブルーベリーやハーブを使用したジャムや紅茶などを販売する傍ら、そこの畑で栽培している野菜を生かしたヘルシーな料理をフルコースで提供するお洒落なレストランだ。

来店客のほとんどは、中高年の女性グループ。レストランはテーブル数が六つ程度で、小ぢんまりとしているが、バンガロー風のインテリアは、床や天井、壁に使用している木材が上質で、オーガニックな雰囲気をかもし出している。しかも、席に座ると壁一面の大きなガラス窓をとおして、目の前の一面のブルーベリー畑から、遠く琵琶湖の風景まで一望できる。

(中略)

この例でも、有機食材を使った料理を売るのに、単に有機食材料理だけを提供するのではなく、有機食材料理を楽しんで味わえるインテリアと眺望のある空間体験を提供している。 すると、レストランでの食事を楽しんだ後に、一階の店舗でパンを買ったり、ブルーベリーのジャムを買いたくなったりする。

仮にそれらの商品が普通のスーパーマーケットに横並びに陳列されていたなら高いと感じるかもしれない。しかし、ブルーベリーフィールズという空間では、それらの商品は多少高めでも買う気になるのである。

さて、これらのエクスペリエンス・ビジネスの事例が私たちに教えることは何か。それは、顧客にとっての商品体験の価値が高いと、商品の価値も高くなることだ。つまり、商品の価格が多少高くても売れやすくなるのである。 しかも、商品は使ってしまえば残らないが、商品体験は人の心に残るという性質があり、これがリピーターにつながる。

だから、「商品」を売りたいなら、「商品体験」を売ることが大切だ。

(本文より抜粋)

 

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