日本版「ナノコーポ」 シニアの起業側面支援を
 
  2004年8月5日  読売新聞 論点
村田裕之
 
 

六十五歳まで働くことができる環境整備を企業に義務付けた「改正高齢者雇用安定法」が六月に成立したが、その中身は実態とかけ離れているという声を聞く。

面接調査で私は何百人もの中高年と接しているが、今の会社で六十五歳まで働き続けたいと思っている人が意外に少ないと実感している。
 
総務庁調査によれば、四十歳以上の八割以上が少なくとも六十五歳まで働きたいと考えている。しかし、実績主義が叫ばれるなか、リストラの危機におびえつつ、今の会社で我慢して働き続けるより、多少収入が減っても、好きな仕事をしたい人が増えているように思う。
 
労働人口の流動化が進む米国ではこうした動きが一足早く始まっている。米国人は五十歳前後まで働いて、「ハッピー・リタイアメント(幸福な退職後の人生)」を重視すると思われがちだが、高齢者団体AARPの調査によれば、一九四七年から六四年に生まれたベビーブーマー(団塊世代)の八割は六十五歳を過ぎても働きたいと答えている。
 
彼らの間で増えているのが、広告や販売業など専門性を活かし、自分のやりたいことを仕事にして収入を得るミニ企業「ナノコーポ」。これは、微細を意味する「ナノ」と法人の「コーポレーション」の英語の造語だ。

(中略)

中高年の雇用を維持するには、法制度を整え、補助金を投入するだけでは不十分だ。意欲と能力のあるシニアに、いかに新しい事業機会を与えるか。米国の例から学ぶことは少なくない。


(本文より抜粋)



 

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