村田裕之関連  
MBAの取得&活用ポイント
 
  2001年11月号
村田裕之
 

日本の大手石油会社を退職した後、
私費でENPC
(フランス国立ポンゼショセ工科大学大学院)へ
入学し、 国際経営について学んだ村田さんは、
ビジネス・スクールをこう捉える。

「いろいろなきっかけを与えてくれる
職業学校です」

スクールでは多様な理論を学ぶ。
しかし、それらを誰もが卒業後のビジネスで
役立てることができるかといえば、
「違う」という。

「卒業後、インベストメント・バンクや
証券会社に行く人ならば
すぐ活用できる内容もありますが、
皆がそうした仕事に就くわけではありません。
MBAの勉強にはもっと普遍的で継続的な価値があると思います」 

それはコミュニケーションとネットワークだ、と村田さん。

「コミュニケーション・スキルは常に問われます。
授業は英語だし、日常はフランス語。
意思の疎通だけでも大変なのに、
さらに深いコミュニケーションをするには、
とにかく自分から進んで発言しなければならない」

「日本人はとかく寡黙になりがちですが、
国際会議の席上や、国際的ビジネスの
やりとりで黙っていては、
重要な意志決定に参加することができません。
まず何か発言してその場に参加する、
という図太さを私はフランスで得ました」 

もちろん言葉を発するだけではコミュニケーションは成功しない。

「次に必要なのが自分の独自性です。私は国際色豊かなクラスの中で、
常に自分の土俵に皆を引っ張ってくるようにしました。

『日本ではこういうときにどうする』
『新規事業の実現性を評価する場合は、こういう点に目を配るべき』

といった
″日本人で日本の石油会社で新規事業に携わっていた村田″
だからいえる話題を提供していったのです」 

こうして独自性を発揮しながら
話の輪へ主体的に参加したからこそ、
人的ネットワークも獲得できた。

「今、国際性とともに異業種コンソーシアムなど
協力関係構築が重要になる中、
必要なのは『輪に参加できる力』だけではなく、
『自ら輪を作り、それをけん引する力』なのです」 

ENPCには地元欧州企業で働くことで
単位を取得するシステムがある。
村田さんは石油会社エルフに行き、
そこでも得難い経験をした。

「研究開発の仕事を手伝う中で
さまざまな人脈を作ることができ、
スクールで得たスキルを
ヨーロッパの企業で試す機会にも恵まれました」

MBA取得後エルフでの勤務を継続。
冒頭でも触れたように、
ビジネス・スクールが提供するのは
高度な理論ばかりではない。

むしろ数多くの「きっかけ」を手にできる場といえる。
問題は「きっかけ」をものにする力とやる気が
当人にあるかどうかだ。

ソフィアバンクにおける村田さんの現在のミッションは、
アライアンス構築に関わるコンサルティング。
フランスでのコミュニケーションや
ネットワーク作りで培った力がまさに役立つ仕事だ。

「結局、留学そのものが一つの大きなきっかけなのだと思います。
重要なのはMBAを持っているかどうかではなく、
そこで得た機会を自分の血肉にできたかどうか。
それでその人の価値は決まるのだと思います」

一人ひとりが主催者となるべき時代、
異質なものが共存するルツポに自ら入り、
そこで輪を作り上げることでチャンスを手に入れる。

ビジネス・スクールには
そのための?きっかけ″が多種多彩に用意されている。

 

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