ビジネスコンビニ業は「ナノコーポ支援産業」に向かう(その1)
 
  2004年4月号 第4回
村田裕之
 
これからは自分サイズのミニ企業「ナノコーポ」がふえていく

こうした中高年の労働意識の変化が示すのは、今後、定年退職の年齢に近づく人たちには、従来のように「引退」するのではなく、専門性を活かして、自分スタイルで働き続けたい人が確実にふえることだ。

だが、現実は厳しい。50歳を過ぎた人が新たに職を得るのが難しいのはアメリカも同じである。したがって、これに対する解決策は、就職先を自分でつくる―つまり、起業することである。

こうして、中高年の起業家がふえているのだが、起業家といっても、売上げを拡大し、会社組織を大きくし、株式公開して一丁上がりという一昔前のネットバブルの時のような志向性を持つ人は、この世代には少ない。会社組織を拡大すれば、いろいろな管理業務がふえ、本来やりたいことができなくなり、本末転倒するからだ。

このため、旧来型の会社ではなく、
あくまで自分のやりたいことを、
自分サイズの仕事にして、
収入を得るスタイルを維持する
ミニ企業「ナノコーポ(nanocorp)」がふえている。

ナノコーポとは、拡大を目指さないという方針を
徹底的に追求している超ミニ企業である。
従業員は一人から二人で、あくまで自分サイズの事業規模にこだわる。
日本でも「一人ビジネス」という言葉があるが、それと似ている。
ただし、ナノコーポが、小規模のままでいるのは、
競争力を得るための戦略でもある

(中略)

私書箱サービスからスタートしたMBEも、
コピーサービスからスタートしたキンコーズもコンバージェンスにより、
多くの機能を加え、ビジネスコンビニ業に成長した。

その大きな背景は、フリーエージェントという
新しい労働スタイルを選択する人がふえ、
SOHOというオフィス形態がふえたことによった。

そして、いま、アメリカや日本などの経済成熟国では、
高齢化の進展とともに中高年の労働意識が大きく変わりつつある。
この変化が、ビジネスコンビニ業にさらなる進化を促すことになる。

コンバージェンス商品の裏には、
必ず人々の需要の変化があることに注目したい。

(本文より抜粋)

 

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