シニア住宅に見るコンバージェンス型産業の流れ
 
  2004年2月号 第2回
村田裕之
 
日本の有料老人ホームはいま 設立ラッシュだ。

3ヶ月前にある運営会社が東京と大阪で説明会を 開催した際、参加資格を60歳以上に限定したにもかかわらず、各々定員600名に対して倍の1200名以上の募集があったという。

このように活況を呈している有料老人ホーム市場だが、そのハード、ソフト面の充実度は、先進のアメリカにまだ大きく水を開けられている。

日本市場でも最近新規参入が増え、入居一時金が従来の10分の1程度の低価格型も現れるなど、高級型との二極化が進んでいる。

この市場の今後の方向性を読む上で、世界で最も多様な住宅の選択肢を持ち、長い市場競争の経験をもつアメリカにおけるシニア住宅の変遷を見ておくことは参考になる。(図表1)

(中略)

このようにシニア住宅という商品は、 時代の変化とともに、
いわゆる雨露をしのげる最低水準のものから、
高級なもてなしや知的な営みを支援するものに変わってきた。

アメリカのシニア住宅業界の現在の最大の関心事は、
7600万人という圧倒的な数のベビーブーマー世代だ。
この世代は、日本の団塊世代以上に戦後の消費を牽引し、
社会的に大きな影響力をもってきた。

だが、そ の最年長者はすでに55歳を超えている。

この「さらに新しい高齢者」に対して、
どのような商品を提供していくのかが、
次の大きなテーマとなっている。

そして、この動きは、似たような軌跡をたどりつつある
日本のシニア住宅市場の近未来を読む上で
、きわめて興味深いものとなるはずだ。

(本文より抜粋)

 

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