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サラリーマン定年退職者(概ね60歳以上)は、金融資産、可処分所得が多く、
かつ、自由時間も多いため、
「金持ち」「時間持ち」といわれ、
マーケティングの対象として多くの企業から
注目されている。
しかし、これらの人たちはモノを売りつけられることに辟易としており、
マーケティングの対象として見られることに
心理的抵抗が大きい。
加えて、近年売り込みが盛んな熟年旅行や
趣味のサークルなども参加するのは
退職直後だけで、しばらくすると飽きて参加しなくなる人が多い。
その理由は、人は60歳前後になると、
単なる娯楽に時間と金を費やすだけでは
満足せず、 むしろ自分の得意分野を活かした「仕事を通じて」世の中に役に立つことに 喜びを感じる傾向が一段と強くなるからである。
シニアの最大の強みは「金持ち」「時間持ち」であることではない。
むしろ「智恵持ち」だということである。
豊富な人生経験で培われた深い智恵や優れた判断力は、
熟練した能力が要求される仕事の現場において貴重な知的資産となる。
したがって、このシニアの智恵を「仕事を通じて」
世の中に還元できる仕組みをつくることが、社会にとって有益であるだけでなく、
本人にとっても生きがいとなり、精神的な充足感を得るうえで極めて有意義となる。
実はこれまで挙げた日米事例の共通の特徴は、シニアが知的貢献を通じて
社会参加できる「仕組み」が、新しいサービス市場を生み出したり、
市場を拡大したりする「契機」となっていることである。
つまり、そのような仕組みに参加したとき、シニアの精神的な充足感が高まり、
その能力は最大限発揮される。
その結果、顧客に対するサービスの質が高まり、顧客の満足度が高まる。
この積み重ねにより、売り上げが増加したり、店の評判が高まったりするのである。
今後、働く意欲と能力のあるアクティブシニアがますます増加すると見込まれる。
そこでシニアの強みを活かした社会参加の仕組みが、
単なる雇用対策という意味ではなく、
企業の市場拡大のための差別化戦略として有用となる時代がまもなくやってくる。
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