『保険毎日新聞』  
         保険業とジェロントロジーとの接点
             

 

ビジネスと結びついたジェロントロジーの実践

 
 

2007年2月19日号 保険毎日新聞 連載第6回

プロフェッショナル・アイ「保険業とジェロントロジーとの接点」
 
 

米国ニューヨーク州イサカにロングビューという健常者向けの集合住宅がある。この住宅は、隣接する私立大学のイサカ・カレッジ・ジェロントロジー研究所と包括的な提携関係を結んでいる。ここは筆者が「カレッジリンク型シニア住宅」と呼んでいるものの一つだ。

(中略)

入居者は何が魅力でロングビューに入居するのか。最大の理由は、イサカ・カレッジとの「カレッジリンク」であることだ。ここではジェロントロジー研究所の教授がロングビューでクラスを開いたり、学生がロングビューのインターンとして介助サービスを行ったり、パートタイムの運営スタッフとして活動している。

(中略)

さて、このように大学とシニア住宅とが連携することで生み出されるメリットは何か。まず、入居者にとっては若い学生や専門性の高い教授との学びあいの機会が得られ、知的・文化的な刺激が多く、生き生きとした生活ができることである。

(中略)

一方、大学にとってはジェロントロジー研究の実践の場が得られ、研究内容が充実することが最大のメリットである。これにより、単なる「耳学問」ではない貴重な「生きた学び」の体験ができることが学生にとってのメリットとなる。

(中略)

「経営学」に詳しい学者が、会社の「経営」について、まったく無能なことはよくある。これと同様に、「ジェロントロジー」に詳しい学者が、「年配者向けのビジネス」について素人であることもよくある。理論偏重の「頭でっかちな」になりやすいジェロントロジーという学問を、「体で学ぶ」ことのできる実フィールドを持ったことがイサカ・カレッジの優れたところである。

(本文より抜粋)


 

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