異質と同質を使い分けるマネジメント
 
  2004年9月号 第9回
村田裕之

人は、その場の同質性が強いと、異質なものを求めるようになる。

たとえば、ビジネスマンが異業種交流会を求めるのは、この理由からだ。

新規事業を社内の人間だけで企画すると、斬新な発想が出にくいと言われる。伝統ある大企業ほど、独特の「社風」が形成されており、それに染まった、同じような見方をする「金太郎飴型」社員の集まりになりやすい。 だから、異業種企業との交流で、多様な視点を取り入れ、発想転換を促そうとする。

だから、同質性が強く、閉塞感が強い集団に対しては、その閉塞感からの開放機会がビジネスになる。これは、前述の異業種交流会、お見合いクラブなどの「交流機会の提供」にとどまらず、利用者を閉塞感から開放する「空間の提供」にも及んでいる。

(中略)

会社を退職した人が、社交ダンスの同好の士を求めてダンススクールに入学する。退職して寄る辺のない思いをしたため、同好の士との出会いが楽しい。

だが、そのような人たちのクラスは、同質性の強い集団となり、新参者にとって参加の敷居が高くなる。すると、そのクラスは特定メンバーだけの集団となり、変化に乏しくなる。それを嫌って別のクラスに移る人が増えていく。

こういった現象は、実はダンス教室だけでなく、カルチャーセンター、パソコン教室など多くの場作りビジネスで共通に見られる。 したがって、この種のビジネスの経営者は、「同質のもの」と「異質のもの」とを、顧客の状況に応じて適切に使い分けることで、顧客の満足度を継続的に高めることができるだろう。

(本文より抜粋)

 

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